表題番号:2025C-405 日付:2026/03/27
研究課題人的資本経営と生産性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 久保 克行
研究成果概要

この研究の目的は人的資本と企業の生産性の関係を実証的に分析することである。近年、企業に対して人的資本経営を充実させるようなガイドラインや、人的資本に関する開示を促すような制度改正が多く行われている。これらの例としては経済産業省による人材版伊藤レポート(2020)、人材版伊藤レポート2.0(2020)、人的資本可視化指針(2022)、金融庁による企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正(2023)がある。これらの制度変革の背景にある考え方は、企業が適切に人的資本を充実させることで生産性を向上させることができるということである。本研究では、このような考え方にもとづき、日本企業における人的資本のあり方について実証的に分析した。分析の一つは、いわゆるペイギャップ、すなわち、経営者と従業員の所得格差である。日本は、伝統的に諸外国と比較してペイギャップが低いことが知られている。一方、資本市場改革において経営者報酬が上昇する一方で、従業員賃金が上昇していないという考え方もある。本研究では、この点について実証的に分析した。その結果の一つが「役員と労働者の格差は広がったのか?」『日本労働研究雑誌』である。そこでは日本においてもペイギャップが増大していること、しかしながら米国と比較するとペイギャップは極端に小さいことが示されている。