表題番号:2025C-404
日付:2026/03/27
研究課題太平洋島嶼国の持続可能な発展に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 商学学術院 商学部 | 教授 | 高瀬 浩一 |
- 研究成果概要
- 本研究は発展途上の太平洋島嶼国に共通している公共インフラ設備の維持管理(メンテナンス)問題を分析する。我々は公共財配分ゲームを参考にして、メンテナンスの意思決定問題をトランプゲームで表現したメンテナンスゲームを考案し、そのアプリを実装した複数のタブレットにより、世界中場所を選ばずに実施できるラボ実験仕組みを開発し、太平洋ミクロネシア海域にあるミクロネシア連邦やパラオにおいて、最初の経済実験を実現した。今回申請する研究では実験フィールドを太平洋の他の海域や国に拡大して実験を行う。我々のメンテナンスゲームは時間選好、リスク選好、フリーライダー志向などの個人や地域特性を検出し、比較できるため、これらの島嶼国のメンテナンス問題解明に有効である。更に、グラフィクスを多用し、身近なトランプゲームとして表現されたアプリは参加者の操作と理解が容易である。このメンテナンスゲーム実験は、実験経済学における最先端研究手法となり、太平洋島嶼国のメンテナンス問題の解明とSDGs改善に、大きな貢献をもたらすと考えられる。この実験は、1会場内にノートPCサーバ1台にタブレット端末10~40台を無線で接続したイントラネットワークを構築して実施される。各実験参加者は実験仕組のアプリをインストールしたタブレットを1台割り当てられ、自分の意思決定情報や調査回答をタブレットに入力する。実験の所要時間は待ち時間を含めて1回当たり2~3時間である。各参加者はお互いの端末の画面が見えないよう、そして、いかなるコミュニケーションも取れないよう、会場内に机1台当たり1人が離れて配置される。収集される情報は実験の際の調査・実験結果に加え、年齢、性別、出生地、言語など簡単な人口学的・文化的属性が含まれ、全て匿名ID番号によりデータ化(集計・整理)される。本研究費により、2026年3月にフィリピンの首都マニラにあるデラサール大学において、全6セッション、計180人強の学生を対象にメンテナンスゲームの実験を実施した。現在、研究成果を論文に纏めるべく、研究結果を分析中である。