表題番号:2025C-392
日付:2026/02/28
研究課題副业と本業の役割距離が知識移転に与える影響
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 商学学術院 商学部 | 助手 | チン キ |
- 研究成果概要
本研究は、副業で得られた知識や経験がどのように本業へ活用されるのか、その条件とメカニズムを明らかにすることを目的としている。近年、日本においても副業を認める企業が増え、副業を通じたスキル獲得やキャリア形成への関心が高まっている。政府による働き方改革の推進やデジタル化の進展により、個人が複数の仕事を経験する機会は今後さらに増えると考えられる。しかし、副業で得た知識や経験が必ずしも本業で活用されるとは限らず、その移転を阻害または促進する要因を明らかにすることは、個人のキャリア形成だけでなく、組織における人材活用の観点からも重要な課題である。
本研究では、とりわけ副業と本業の仕事内容や知識領域の違いに着目し、「役割距離(Knowledge Distance)」という概念を用いて、副業で得た知識がどのような条件のもとで本業に活かされるのかを検討した。日本企業に勤務する従業員を対象にアンケート調査を実施し、データを収集した。これらのデータを統計的に分析することで、副業経験が職場における行動や仕事への取り組みにどのように関係しているのかを実証的に検討した。
本研究は、副業を単なる追加労働としてではなく、個人の学習や能力開発の機会として捉える視点を提示するものである。また、副業経験が本業にどのように活かされるのかを組織行動論の観点から検討することで、働き方の多様化が進む現代における新しい人材活用の可能性を示唆している。現在、これらの研究成果をもとに国際学術誌への投稿準備を進めており、副業と組織行動の関係に関する研究の発展に貢献することが期待される。