表題番号:2025C-375
日付:2026/03/13
研究課題近世日本の地域寺院と村社会
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 大橋 幸泰 |
- 研究成果概要
- 本研究「近世日本の地域寺院と村社会」は、越後国蒲原郡帯織村の浄土真宗大谷派末寺本龍寺に寄託されている、岩崎家文書を調査した特定課題研究「近世日本の宗教的秩序と異端的宗教活動」(2017年度)および「近世日本の宗教的秩序と村社会」(2018-2024年度)を受け継ぐものである。岩崎家文書目録の完成と新たな史料群の調査を目標に、江戸時代の地域寺院と村社会との関係を考えようとするものであった。2025年度は、岩崎家文書の補充調査と目録作成を進めた。大学院生にアルバイト要員として同行してもらい、現地調査(通算第九回)を2025年8月25日から8月26日までの2日間、実施した。2024年度までに一通り写真撮影は終了していたので、今回は撮影漏れやピンボケだった史料の再撮影を行った。その上で、協力者の大学院生らとともに目録作成に取り組んだが、本史料群は手紙などの一紙史料が多く、読みづらいということもあり、目録完成にはまだ時間がかかる見込みである。目録作成を進めるなかで、同家が庄屋を務めていた帯織村の複雑な支配関係が徐々にわかり始めたことは本年度の大きな成果である。基本は幕府領だが、藩領だったこともある一方で、幕府領だったときも近隣に領地を持つ藩の預かり地だった時期もあった。このように、江戸時代を通じて領主が頻繁に入れ替わったという事実は、この地域では自治が発達したことを示唆するものであり、実際、用水管理に関わる史料も散見される。当初、新たな史料群の調査も念頭に置いていたが、本年度は手をつけることができなかった。今後は、本龍寺寄託の岩崎家文書と関連する同家の他の史料群の発見と、岩崎家と交流のあった他家の史料群や周辺の藩政史料の調査を進めたい。そうすれば、この地域の新たな近世民衆史を立体的に描くことが可能となるだろう。