表題番号:2025C-372
日付:2026/03/29
研究課題日本の公立小学校における英語イマージョン教育の教科学習と言語学習の成果
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 原田 哲男 |
- 研究成果概要
- 日本国内最初の公立学校での英語イマージョン教育(英語で教科学習を実施)が今年6年目を迎えて初めて卒業生を送り出した。このプログラムの大きな特徴は、両言語の使用量や使用場面を厳しく規定せず、トランスランゲージングの手法に則り、一つの授業で計画的に日英両言語を使って教科学習を行うことにある。本研究の研究課題は、次の3点にまとめられる。1. 英語による教科学習は、日本語による教科学習と同等(以上)の成果が期待できるか。2. イマージョン学級の児童は、日本語でも英語でも話す意欲(Willingness to Communicate)が高いか。3. 英語による教科学習が、児童の英語力養成にどの程度効果があるか。最初に、授業観察や児童と教員へのアンケートとインタビューなどを実施した。日本人教師と英語指導助手の授業準備と協力で、英語で十分に理解ができる授業が展開されており、その結果児童の英語による教科の理解力が担保され、児童自身も英語で十分に理解できていると振り返っている。さらに、文科省の学習指導要領にある目標の一つである「主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う」という点において、イマージョン学級の児童は日本語でも英語でもコミュニケーションをしようとする意欲が、統計的に高いことが判明した。児童の英語力について、TOEFL Primaryテストで「聞く、話す、読む、書く」の言語能力を測定し、音声を媒介とする「聞く、話す」能力が高いことが判明した。とくに、リスニングでは、小学校に入学するまで英語に触れていなかった児童も含めて、6年生全員がCEFR A2(60%)またはB1(40%)レベルに到達していた。本研究は、トランスランゲージングを計画的に使用してきた公立学校の英語イマージョン教育の成果を明らかにし、今後のイマージョン教育のあるべき姿を示唆している。