表題番号:2025C-369 日付:2026/04/03
研究課題近世期における歌人説話の研究:紫式部を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 天野 聡一
研究成果概要
 本研究の目的は、近世期の人々が前時代の古典をどのように学び、またどのような文学を創作したのかという問いに答えるべく、近世期における歌人説話を対象に据え、その通史的な展開を研究することである。本年度は特に紫式部に焦点を当てて取り組んだ。
 その成果の概要は下記の通りである。
 ①小説類の展開を探った。事典・叢書類を頼りに、仮名草子、浮世草子、読本、草双紙における用例を悉皆的に調査し、紫式部が登場する作品を一覧表にまとめていった。この作業は継続中である。
 ②歌人説話のケーススタディとして、従来より取り組んでいる藤原定家と式子内親王の研究を書籍のかたちにまとめて刊行した。
 ③紫式部には『百人一首』歌人として受容された側面がある。そこで、基盤的研究として、近世期に流布した百人一首の絵入り注釈書である『百人一首図絵』の翻刻・現代語訳・注釈・内容読解を行った。底本は早稲田大学所蔵本を用い、適宜架蔵本を参照した。本年度は、蝉丸から在原業平までを対象とした。この作業は今後も継続して行ってゆく。