表題番号:2025C-368
日付:2026/03/25
研究課題図画工作・美術科教育における「子どものスペキュレーション」に基づく教育課程開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 大泉 義一 |
| (連携研究者) | 東京都大田区立南六郷小学校 | 教諭 | 上野広祐 |
| (連携研究者) | 東京学芸大学附属竹早中学校 | 教諭 | 杉坂洋嗣 |
| (連携研究者) | 川崎市立川崎総合科学高等学校 | 教諭 | 野田洋和 |
| (連携研究者) | 株式会社SEN | CEO | 各務修 |
- 研究成果概要
- 本研究は,申請者が2022~2025年度において取り組んできた科研費研究(基盤研究(C))の研究課題「デザイン思考の検討を通じた美術教育の教材開発と教科コンセプトの提示」における研究知見をふまえ,さらに教育課程開発研究へと発展させるものである。すなわち「子どものスペキュレーション」に基づく図画工作・美術科教育の教科コンセプトと教育実践の原理をふまえ,その教育課程(カリキュラム)開発に取り組むものである。具体的には,デザイン思考をはじめとするデザイン概念の変容をふまえ,学校教育における美術教育(図画工作・美術科)の新たな教科コンセプトとして「子どものスペキュレーション」を定義し,その概念を具体的な教育実践として具体的に構想・実践に取り組み,その意義を検討した。(1) 美術教育における創造性の位置付けに関する現状把握現在の美術教育において,創造性に関する指導がどのように扱われ,どのように実践として取り組まれているのか,そしてそこにはどのような課題があるのかを,①教育現場における聞き取り調査,②現行学習指導要領分析,③現行教科書分析,④教育雑誌等の実践事例集分析を通して明らかにした。その結果,①創造性の定義があいまいであること,②創造性が子どもの発達の段階に即して捉えられていないこと,③創造性が問題解決に向けた収斂的思考として学習に活用される傾向が強いこと,が明らかになった。(2)「子どものスペキュレーション」に基づく美術教育課程の構想(1)の調査研究の成果をふまえ,現行図画工作・美術科の教科内容を「子どものスペキュレーション」の概念から再構成することで,小学校,中学校,高等学校におけるパイロット題材として開発に取り組み,その実践を通じて実証的に教育的意義を検討した。題材開発と実践においては,下記連携研究者と研究協議を行い,教育現場の実情に沿った開発と実践になるよう留意した。その結果,以下のパイロット題材を開発するに至った。・小学校:第1学年総合『1年2組をつくろう』・中学校:第1学年美術『未来を想像し,未来を創造する:未来の地図記号』・高等学校:第3学年デザイン思考・デザイン実践『例えばこんな本屋さん』あったらイイなを提案しよう。:店舗デザイン&リニューアル計画』これらの実践を通じて,「子どものスペキュレーション」の意義について,①小学校段階では拡散的思考を中心的課題とすること,②中学校段階においては拡散的思考と収斂的思考の往還による問題提起と問題解決を目指すこと,高等学校段階においては社会実装までを含めた課題探究とすることが明らかになった。以上の実践の詳細と研究成果は,下記教育雑誌の企画で公開する予定である。