| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 助手 | 藤田 真理子 |
- 研究成果概要
学習指導要領解説(文部科学省、2017)では、小学校から中学校に移行すると数学の学習に対し肯定的な回答をする生徒の割合が低下する傾向にあると述べており、中学1年生での数学の苦手意識・躓きが課題となっている。算数から数学への飛躍では「概念性」「形式(記号)性」「論理性」が挙げられる(岡崎、1999)が、数学の躓きは数学固有の特質(石川・立花、2019)や数概念形成(依田ら、2017)などが要因とされており、算数から数学へ移行する中学1年生における数学の支援方法の検討が課題と考えられる。また、数学の躓きと認知パターンに関しては、近藤ら(2021)のような学習面での困難を示す児童生徒に対する事例検討や、加藤ら(2015)のような日本版KABC-Ⅱを用いた学習支援については数多く報告されているが、学習の躓きと認知パターンの相関に関する研究は見られない。
本研究では、中学1年生の数学(文字式、方程式、関数、図形)での躓きと認知特性の関係をパターン化することにより、小学校から中学校への数学的思考の移行の支援方法を検討することを目的としている。実践として、数学が苦手な中学1年生に対し、日本版KABC-Ⅱの実施及びその結果と、検査内の「計算」及び研究者が作成した「共通問題(学習指導要領に基づき計算・文章題を作成)」における誤答傾向との関係性を分析した。その結果、KABC-Ⅱにおける「ことばの書き」と実践の事前に行った共通問題の「計算」に高い相関(.705**)が得られた。中学1年生から文字を含んだ式の計算が始まるが、この文字の認識<文字―音―数的意味>と「ことばの書き」に必要な漢字の認識<形―音―意味>に関係性があると考えられる。
今後は、この2つの関係性や概念形成と認知の関係性について明らかにしていくことが課題となる。