表題番号:2025C-366 日付:2026/04/03
研究課題特別な支援を要する児童生徒の感じる学校風土について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 平田 郁絵
研究成果概要
 本研究は、特別な支援を要する児童生徒がどのように学校風土を認知しているかを明らかにすることを目的としていた。しかし、日本において学校風土に関する実証的研究は十分に蓄積されておらず、とりわけ多様な教育的ニーズを有する児童生徒との関連に関する知見は限定的である。そこで本研究では、今後の量的検討に向けた基盤的知見の整理として、学校風土と生徒指導課題との関連に焦点を当てた検討を行った。
 具体的には、不登校を経験した児童生徒の自由記述を対象に、「どのような学校であれば通い続けることができたか」という観点から、学校風土の視点に基づく質的分析を行った。さらに、学校風土の一側面である関係性次元に着目し、子どもが欠席または欠席傾向にある際に保護者が抱える困難について質的記述的分析を行い、それに対して学校が取り得る支援の在り方を検討した。これら一連の検討は、学校風土の在り方を明らかにするものであり、特別な支援を要する児童生徒の学校適応を考える上でも示唆を与える知見となった。
 さらに、学校風土が生徒指導上の諸課題とどのように関連するかを検討するため、重要課題の一つであるいじめに関して、学校風土との関連について海外研究の統合的レビューを行った。学校風土が児童生徒の適応に及ぼす影響を多面的に捉えるものであり、学校全体の児童生徒の学校風土認知および学校適応を理解するための基盤的知見として位置づけられる。
 これらの知見を踏まえ、学校風土に関する量的研究を推進するための研究計画を発展させ、科研費(若手研究)として採択に至った。今後は、こうした基盤的知見を踏まえ、学校風土の測定および学校風土向上に関する実践的取組に協力してくださる学校と連携し、実証的研究を進める予定である。