表題番号:2025C-344
日付:2026/04/02
研究課題情動が文化伝達を促進する可能性の検討
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 田中 雅史 |
- 研究成果概要
本研究では、ヒトやキンカチョウが文化を伝える実験系において、情動が学習促進などの影響を与える可能性を検討する。ヒトにおいては無調の歌の伝達というエピソード記憶の想起などによって情動を操作した条件で文化伝達が促進される可能性を探り、また、キンカチョウで情動系を操作した条件で模倣学習に生じる影響を探索している。キンカチョウで情動系の一つと目される扁桃体の損傷を行ったところ、模倣対象への接近が増大したものの文化伝達時の接近はむしろ減少し、文化伝達の選択性が阻害されることが明らかになった。また、他の情動系の一つと目される側坐核と関連した神経回路を明らかにし、側坐核を含む内側線条体が文化的刺激へ応答する可能性が示唆された。またヒトの文化伝達では、恐怖などの情動の操作によって模倣成績が向上する可能性が明らかになった。今後もヒトとともに文化伝達のモデル動物であるキンカチョウを用いて有用な実験系を探索し、情動と文化伝達・模倣学習の関係を明らかにする研究に役立てたい。