表題番号:2025C-305
日付:2026/04/02
研究課題著作権法におけるアイデア・表現二分論の再考
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 法学学術院 法学部 | 助手 | 李 雨桐 |
- 研究成果概要
本研究は、著作権法におけるアイデア・表現二分論の再検討を中心課題とし、現代における多様な創作形態への適用可能性を明らかにすることを目的とする。本年度は、同理論の基礎的構造および制度的機能に関する整理を行うとともに、具体的事例の分析および国内外における研究発表を通じて、研究成果の蓄積と発信を進めた。
まず、嗅覚からなる表現形式に関する論文を公表し、従来の著作権法が前提としてきた「表現」概念の枠組みについて再検討を行った。嗅覚という非伝統的な表現媒体をどのように位置づけるべきかを検討し、嗅覚による表現も著作権法上の「表現」として捉え得ることを検討した。また、表現の成立に必ずしも厳密な再現性や正確性が要求されるものではないことを示し、「表現」概念の再検討の必要性を明らかにした。
また、本年度は国際会議および研究会において複数の口頭発表を行い、美学史的視点および比較法的視点を踏まえつつ、アイデア・表現二分論の歴史的形成と現代的課題について検討した。特に、現代アートおよびAI生成コンテンツをめぐる問題に着目し、創作過程における人間の関与や「表現」の認定基準に関する課題を整理した。
以上の研究活動を通じて、従来のアイデア・表現二分論が前提としてきた「表現」概念の限界を明らかにし、現代の多様な創作実践に対応するための理論的知見を得た。
これからは、本研究課題に基づくこれらの研究成果を取りまとめた論文を、学内紀要に投稿する予定である。