表題番号:2025C-299 日付:2026/03/29
研究課題分断の時代における国際知的財産制度のあり方に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 鈴木 將文
研究成果概要

 本研究では、知的財産制度のうち、特に特許制度に焦点を当てて、グローバル化の中で、国ごとに構築された特許制度及び裁判制度がどのような対応をしているか、今後の課題は何かを検討した。

 具体的には、第一に、特許制度の属地制度と特許紛争の関係について分析した。

 第二に、国際特許訴訟を巡る、国(地域統合体を含む。)の間の攻防について分析した。例えば、標準必須特許に関し、一部の国の裁判所が、(訴訟当事者の同意がない場合にも)グローバルベースのライセンス条件を決定し、さらには、当事者に他国の裁判所での手続きの遂行を禁じるanti-suit injunctionを命じる等、他国における特許権の行使や紛争解決に影響を与える措置を講じる例が多発している現象について、分析した。

 第三に、WTO紛争解決制度において、EUが中国による標準必須特許関連の措置についてWTO協定違反を主張する紛争につき、分析した。

 第四に、EUにおいて、特許訴訟に係る国際裁判管轄を緩やかに認める方向のEU司法裁判所の先決判決が出され、EU加盟国の裁判所(統一特許裁判所を含む。)が、外国の特許権(UPCの場合は、統一特許裁判所協定非締結国の欧州特許権)の侵害事件を扱う現象について、分析した。

 さらに、以上のような具体例に基づく分析に基づき、我が国としてあるべき今後の対応について検討を行った。