表題番号:2025C-289
日付:2026/03/27
研究課題フィリピンの農業協同組合や農民組織の農業機械化への効果ーポリセントリックガバナンス理論の観点からの検討
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 政治経済学術院 政治経済学部 | 教授 | 大森 佐和 |
- 研究成果概要
- 本研究の目的は、フィリピン政府による農民組織を受益者とした全国的な稲作機械化事業である「RCEF機械化プログラム」の政策効果を、公共政策の理論であるオストロムによる共有資源管理(Common Pool Resource Management)と多中心的ガバナンス(Polycentric Governance)の視座から、農林省の附置研究機関であり政策実施機関の一つであるPhilMechと研究協力を行い、混合研究法で検証することにある。すなわち国から農民に供与され農民組織自身が維持管理する必要がある稲作機械を共同資源とみなし、農民組織の多様な類型やその制度的特徴、政策に関係する関係諸機関との交流の頻度に着目し、これらの要因が、はたして稲作機械の維持管理状態、及びコメの収量や労働時間や生産コストにどのような影響を与えるかについて全国的なサーベイ調査を行い、量的・質的調査により分析する。また、農民への稲作機械使用のオペレーター用のトレーニングがどのように稲作機械化事業に影響を与えるかについても検証する。こうした研究目的のため、本研究費を用いて2025年7月にフィリピンのPhilMechを訪問して現地調査を行い、灌漑組合、農民組織など種々の農民組織を訪ね、農民組合へのサーベイ項目を作成した。そしてこれらのサーベイ調査について人を対象とする研究に関する倫理申請を行い、2026年1月の委員会で承認を経た。2026年3月に再度行った現地調査では、前回作成したサーベイに基づき行ったパイロット調査の結果をもとに、質問項目を改訂し、さらにこの改訂版によってパイロットサーベイを行い、サーベイ項目の最終版を確定した。また、サーベイを行う農民組織を、地域や州でクラスター化した、ランダムサンプリングにより確定した。今後の予定としては、2026年5月から2-3か月ほどPhilMechスタッフによってサーベイ調査が行われる予定であり、その後、これらの分析を行う予定である。本研究を通じ、零細な貧しい農民の包摂が難しい途上国での農業機械化政策に関する学術的・実践的貢献と同時に、日本からの発信が少ない公共政策領域での国際的な学術的貢献を目指してゆく。