表題番号:2025C-279
日付:2026/02/04
研究課題有機結晶の結晶構造生成AI
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | データ科学センター | 准教授 | 谷口 卓也 |
- 研究成果概要
- 有機分子の結晶構造は、医薬品における溶解性や安定性、さらには有機半導体における電気伝導性などの物性を直接左右するため、その構造を正確に予測することは極めて重要である。しかし、有機結晶はファンデルワールス力や水素結合といった弱い分子間相互作用によって安定化されており、わずかなエネルギー差のもとで多数の結晶構造(多形)を取り得る。このため、結晶構造予測は本質的に困難な問題である。現在主流の結晶構造予測手法は、「膨大な数の候補構造を生成する構造探索」と、「各候補構造のエネルギーを計算・最適化する構造緩和」という二段階のプロセスから構成されており、計算コストが極めて高いという課題を抱えている。特に有機結晶では、分子の自由度や多形性の高さが探索空間を爆発的に増大させる要因となっている。本研究では、これまで分離されてきた「探索」と「緩和」を単一のステップに統合し、安定な結晶構造を直接生成する革新的な生成AIの開発を目指している。これまでに、単位格子パラメータ(a, b, c, α, β, γ)を入力とし、分子量および空間群で条件付けした変分オートエンコーダ(VAE)を用いることで、物理的に妥当な格子パラメータの組み合わせを生成するフローの構築に成功した。さらに、分子構造についても、ねじれ角などの内部自由度をパラメトリックに扱う手法の開発を進めている。