表題番号:2025C-256
日付:2026/04/03
研究課題高大接続に関する数学教材の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 高等学院 | 教諭 | 清水 英太 |
- 研究成果概要
- 本研究では,高大接続に資する数学教材の開発を目的として数理モデルを用いた学習活動と微分学習における理解過程を統合的に捉える枠組みの整理を行った。これまでに,理系・文系志望の違いによる学習時の特徴について,同一の自然現象を題材とした数理モデルの構築過程や,微分に関する理解の分析を通して検討を進めてきたが,本年度はそれらの成果を再検討し,学習過程における記号的表象の役割に着目した理論的整理を行った。具体的には,計算操作が可能であっても数式や記号が概念的対象として十分に機能していない段階が存在することに着目し,これを概念形成過程の一段階として位置づけた。さらに,数理モデルを用いた探究活動においても,観察や操作が先行し,意味づけが遅れて形成されるという類似の構造が見られることから,異なる学習文脈に共通する理解過程の特徴として整理を行った。これにより,従来は学習上の誤りや困難として捉えられてきた現象を,概念形成の進行を示す指標として再解釈する視点を提示した。本研究の成果は,操作的活動と概念理解を接続する指導設計の重要性を示すものであり,数理モデルを活用した教材開発において,学習者の表象の変化を意識した指導の必要性を示唆するものである。今後は,この枠組みに基づき,微分積分の学習と接続する教材の具体化を進める予定である。