表題番号:2025C-239 日付:2025/04/29
研究課題日本語教育における動詞の構文情報の指導
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語教育研究センター 准教授 三好 裕子
研究成果概要
動詞は文の核となり、構文を決める役割を持つ。そのため、日本語学習者が自分の考えを正確に日本語で表現できるようになるために、動詞の意味と構文の知識が必要である。本研究の目的は動詞の持つ構文の情報をいかに指導するかを明らかにすることである。指導の方法として、動詞の意味のカテゴリーごとに項構造パターンを示す指導が有効であると考え、その方法についての調査を進めている。例えば、「入れる」のように物を移動させるという意味の動詞は「〈もの〉を〈場所〉にV」という構文パターンを取り、同様の動詞に「置く」「つける」などがある。どのような動詞がどのような構文パターンを取るかを指導するのである。構文パターンを示した場合と示さない場合を比較する実験的調査を行い、構文パターンを示すことの効果を検証した。この調査の結果明らかになったことを日本語教育学会で発表し、さらに雑誌にも投稿する予定である。調査により、この方法の効果がある程度認められたことから、今後はこの方法を具体化するための調査を進めたいと考えている。