表題番号:2025C-219
日付:2026/03/25
研究課題肘内側部筋群が発揮できる肘内反トルクを効率よく高めるトレーニング頻度の解明
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 | 助教 | 小沼 憲吾 |
- 研究成果概要
- スポーツ選手にとって筋力トレーニングはパフォーマンスの向上だけでなく、障害予防にも資する有用な取り組みの一つである。本プロジェクトは、投球系スポーツ選手に頻発する投球障害の一つ「肘内側部障害」の予防に資するトレーニングプログラムについて、費用対効果が最大となるトレーニング量を解明するため、実施するトレーニングの量に応じた筋力の向上効果と筋肥大効果を明らかにすることを目的とした。この目的を達成すべく、大学水球部に所属する選手14名(男子8名、女子6名)を対象にトレーニング介入実験を実施した。対象者をトレーニング頻度の異なる3群(週1日群、週2日群、週3日群)に分け、8週間のトレーニングを行わせた。トレーニング種目は以下6種であった。①リストカール、②リバースリストカール、③ダンベルプロネーション、④ダンベルサピネーション、⑤ショルダーインターナルローテーション、⑥ショルダーエクスターナルローテーション。全ての種目について10回3セットを行わせた。介入期間の前後で肘関節内反筋力と肘関節内側部筋群(浅指屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、円回内筋)の横断面積を計測した。測定日(介入前後)と群を要因とした反復測定二元配置分散分析を行った。その結果、有意な交互作用は確認されず(p > .765)、測定日についてのみ、有意な主効果が筋横断面積で確認された(p = .049)。この結果は、トレーニング量の増加が筋力の向上および筋肥大の促進にもたらす影響は限定的であり、本研究で実施したトレーニングプログラムについては週1日の量でトレーニング効果が頭打ちになる可能性を示唆するものである。スポーツ選手は試合や練習、コンディショニングなどで多忙である。本研究で得られた結果は、多忙なスポーツ選手に対し障害予防プログラムを導入するハードルを下げ、障害予防プログラムを普及する有用な知見になることが期待される。