表題番号:2025C-210
日付:2026/03/29
研究課題精神疲労時の脳機能研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 | 教授 | 正木 宏明 |
| (連携研究者) | スポーツ科学研究科 | 博士課程学生 | 木村勇太 |
| (連携研究者) | スポーツ科学研究科 | 修士課程学生 | 中山夏妃 |
- 研究成果概要
- 本研究では精神疲労中の脳活動を明らかにし,レジリエンス強化と身体パフォーマンス向上に繋がる脳活動を同定することを目的とした。精神疲労を効率的に誘発する認知課題(R6年度作成)を遂行している際の前帯状回等の活動を調べた。実験では,精神疲労を誘発する認知課題(40分間連続遂行)の前後に実施したGo/Nogo課題の遂行成績低下と脳波のエラー関連陰性電位(error-related negativity: ERN)の変化を調べた。参加者(10名)は,認知課題を遂行する精神疲労条件とドキュメンタリービデオを鑑賞するだけの統制条件に参加した(2日間)。各条件ではGo/Nogo課題のほか,ベンチプレス(動的筋持久力,50% 1RM),wall-sit課題(静的筋持久力)を遂行した。実験結果,前帯状回由来のERN振幅値は条件間で差はなかった。一方,精神疲労条件では精神疲労感の増加量とwall-sit課題の保持時間変化量との間に負の相関 (r = -.79) が認められた。さらに,精神疲労を誘発する手段として単純作業中にイレギュラーに生じる刺激変化に対処させる状況をつくり,一次運動野の活動を調べる実験を行った。2つのボタン押しを交互に繰り返させる刺激提示中に,同一ボタンの反復を突如指示することで(lure刺激),被験者の警戒状態を高く継続させる工夫をした。警戒状態を維持しながら,lure刺激に対して誤反応の抑制と修正を首尾よく行うことが可能か調べた。実験の結果,lure刺激提示までは反応時間は短縮していき,lure刺激に対しては約50%程度のエラー率が生じた。lure刺激に対して正しく対処できた試行では,前頭中心部に反応抑制を示すNogoP3様の活動が観察された。また,一次運動野には抑制を直接示す活動は観察されず,対側の一次運動野の賦活を停止することでlure刺激に対処していたことが示唆された。これらの知見の一部は国際学会で報告した。