表題番号:2025C-209
日付:2025/09/19
研究課題対人間身体同期を支える生理活動の同期現象
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 助教 | 栗原 勇人 |
- 研究成果概要
- 私たち人間が行う多様な社会的活動においては,他者との身体的な同期が重要である。本研究の目的は,立位姿勢時に無意識下で生じる対人間身体同期を支える生理的メカニズムを探求することであった。まず,どのような状況下で行動・生理・神経の同期が発生するかについて,先行研究をレビューした。その結果,意識的にインタラクションに関与すると,かえって神経活動の同期性が低下し(脱同期が促進され),同期しにくくなる可能性が示唆された。これは,ヒトが社会的あるいは認知的課題に強く関与する場合,個人内の神経活動の複雑性(エントロピー)が増大することが知られており,二者がともに高い関与を示すと両者の神経活動エントロピーが増大し,その結果,神経活動が同期しづらくなるためである。以上を踏まえると,両者の関与が低い無意識下での対人協調や身体同期においては,むしろ神経活動(あるいは生理的活動)の同期性が高まると予測される。今後は,実証実験を通じてこの予測を検証していく。