表題番号:2025C-197 日付:2026/04/03
研究課題メンタルヘルス問題における言語認知基盤の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 大月 友
研究成果概要
本研究では、メンタルヘルス問題において中心的な役割を果たす回避行動に対して、言語的認知的なメカニズムを検討することを目的とした。具体的には、言語や認知の行動分析学的アプローチである関係フレーム理論をベースとして、回避行動と接近行動など複数の象徴的般化が同時に生じうる状況において般化を制御する要因を明らかにすることを目的とした。実験1として大学生24名を対象に、接近/回避反応の競合般化の検討を、実験2として大学生28名を対象に、接近/接近反応の競合般化の検討を行った。それぞれ、刺激関係の訓練量が般化の程度に及ぼす影響に着目し,訓練量が増加するほど相対的に般化の程度が高まるかを検証したものの、明確に要因を断定可能な結果は示されなかった。この結果の臨床的示唆として,刺激関係の直接的な訓練を通して代替行動の般化を促進するアプローチは,回避行動などの問題行動の減少に対して十分な有効性を示さない可能性が示唆された。今後は,実験デザインの改良を進めるとともに,文脈制御,刺激関係の強化スケジュール,刺激関係の分化強化など,般化を制御しうる他の要因の検討が課題となる。
上記の研究結果に関して、国際学会でのポスター発表や国際誌への投稿を進めている。