表題番号:2025C-192
日付:2026/02/17
研究課題真菌を使った水中の放射性セシウム回収技術開発のための研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 赤沼 哲史 |
| (連携研究者) | 人間科学研究科 | 博士課程大学院生 | 堀尾優子 |
- 研究成果概要
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環境中へ放出された放射性セシウムを能動的に回収し、除去する手法の一つとして、低コストかつ環境負荷の小さいバイオレメディエーションの活用を検討している。本技術に利用可能な微生物の探索を進めた結果、放射性セシウム水溶液中に繁茂する微生物叢を見出した。この菌叢は、生育環境に対して湿重量当たり約34倍の放射性セシウムを蓄積しており、セシウム回収材としての高い潜在性が示唆された。これまでに、この菌叢から糸状菌2株の単離に成功し、各菌株の性状解析を実施した。リボソーム遺伝子配列解析およびゲノム解析の結果、両株の属を同定した。さらに、放射性セシウムを含有する液体培地で培養したところ、いずれの株もセシウムを蓄積した状態で少なくとも1か月間保持可能であることが明らかとなった。また、これらの株のセシウム蓄積能力は、一般的な糸状菌と比較しても優れていることが確認された。これらの菌株を用いた放射性セシウム回収技術の社会実装を見据え、蓄積特性の詳細解析を進めるとともに、回収材としての有効性評価を開始した。実用化には大量培養が不可欠であるため、富栄養培地3種類を用いて25℃で振とう培養を行い、培地条件による菌体増殖の差異を検討した。さらに、塩化セシウムを添加した富栄養液体培地で25℃、4週間の振とう培養を実施し、増殖菌体重量および培地中の残存セシウム濃度を測定した。その結果、培養4週間後には培地中のセシウム濃度が約37~60%にまで低下し、菌体増殖に伴いセシウム回収が進行することが確認された。