表題番号:2025C-187 日付:2026/02/06
研究課題マルチハザード防災・日常交流2つの拠点となるコミュニティ・ミュージアムの建築計画
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 佐野 友紀
研究成果概要
社会の情報化に伴い、美術館・博物館の役割は劇的に変化し、訪問することの意義、リアルを見せることの意義が問われている。その中で、所蔵品を持たないアートセンターなど展示機能のみから、地域コミュニティの活動拠点としての実践事例も見られる。展示に加えて、コミュニティ活動を行う場所の「位置付け」を付加した「コミュニティ・ミュージアム」が増加している。前年研究よりキーパーソンを含む人々の関係・つながりをとらえられたが、このつながりは昨今多発している災害対策としての防災コミュニティ形成への展開が期待できる。本年は新しい視点として、地域コミュニティをベースとした防災拠点としての役割・方法の検討と日常時の交流拠点としての位置付けの関係を検討した。
具体的には国内の地方都市(那覇市:沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー))および海外(ロンドン:ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A) East Storehouse)に存在する複数のコミュニティ・ミュージアムを施設をおとづれ、建築計画調査、利用者等の行動観察調査を行った。結果として、日常的な拠点となっている施設における災害時のコミュニティ拠点としての可能性を確認した。海外におけるヴィクトリア&アルバート博物館(V&A) East Storehouseでは、収蔵庫内を展示施設とする新しい試みが見られ、日常時と防災時の共通利用に懸念を感じる状況も把握された。これらのことから、コミュニティ・ミュージアムを災害時にも利用する場合には、当該の性能を改めて確認することの必要性が重要であることを把握した。