表題番号:2025C-162 日付:2026/03/07
研究課題革新的軽水炉から第四世代軽水炉への技術的連続性の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院先進理工学研究科 教授 山路 哲史
研究成果概要
現在、研究開発が進む革新的軽水炉は基本的には現行軽水炉の技術を踏襲しており、飽和蒸気サイクルで運転するため、炉内に気水分離系が必要になることや、タービン熱効率が飽和蒸気温度によって制限されることは現行軽水炉と同じである。一方、気液相変化がなくなる高温高圧の超臨界水を用いる超臨界圧軽水冷却炉は気水分離系が不要になり、タービン熱効率が飽和蒸気温度に制限されることもないが、高温高圧の炉システムに耐える燃料開発が課題である。本研究では、革新的軽水炉から超臨界圧軽水冷却炉までの技術的連続性を備える第四世代軽水炉の炉心概念を核熱結合炉心燃焼計算及び燃料ふるまい解析により構築した。
炉心冷却材平均出口温度400℃(定格運転時被覆管表面最高温度約500℃)平均線出力密度18 kW/mの平衡炉心(480日/cycle)を設計した。このとき、燃料棒の仕様には異常な過渡変化時の被覆管ピーク温度を暫定的に600℃と仮定し、原稿軽水炉に用いられるジルカロい被覆管が座屈破損しない燃料被覆管の肉厚等を定めた。核熱結合炉心燃焼計算により平衡炉心を設計し、最も厳しい条件の燃料の照射履歴を抽出し、被覆管の機械的な負荷を有限要素法による力学計算と有限差分法による熱計算を連成した燃料ふるまい解析により評価した。三次元核熱結合炉心燃焼計算の結果、第四世代軽水炉は現行軽水炉に比べ中性子スペクトルが硬く、燃料の燃焼反応度変化が小さいため、単一領域炉心では高燃焼度燃料の出力低減が困難であることが分かった。そこで、炉心内側と外側に異なるPu富化度の燃料を用いる2領域炉心を設計し、燃料被覆管の機械的な負荷(被覆管の周方向応力やクリープ歪み)が低減できることを明らかにした。