表題番号:2025C-156 日付:2026/04/03
研究課題骨髄細胞分化から読み解く、CB2受容体の炎症「促進」と「抑制」の二面性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 野崎 千尋
(連携研究者) 先進理工 学生(M1) Nusat Islam Tabassum
(連携研究者) 先進理工 学生(LD3) 細木春花
(連携研究者) 先進理工 学生(M1) Huanming Hsu
研究成果概要
「カンナビノイドCB2受容体は免疫細胞の活動を制御するだけではなく分化にも寄与する」という仮説の証明を目的とし、造血幹細胞(HPSC)におけるCB2受容体の役割を検討した。具体的には野生型動物・CB2受容体欠損動物・CB1/CB2受容体二重欠損動物を用い、骨髄を採取した後にフローサイトメトリーにてLSK・LSK-SLAM・ESLAMと呼称されるHPSC群の比較を行った。これらの幹細胞群は特にLong-term HPSCと呼ばれ、免疫細胞へと分化する最上位に位置する細胞であることが知られている。
上述した遺伝子欠損に加えて異なる月齢・異なる性差の間で比較を行ったところ、
・若いマウス(2カ月齢)において、CB2の欠損は野生型マウスと比較してHPSCを増加させる一方、CB1受容体も同時に欠損している場合にはHPSCの数はむしろ減少する
・加齢マウス(6カ月齢)では、CB2欠損メス特異的にESLAM群の増加が認められる
・LSK-SLAMは逆にオスにおける増加が認められる
など、年齢・性差・CB2の有無などでHPSCの分布が大きく変わることがわかった。
以上の結果は第54回日本免疫学会年会において口頭発表に選ばれた他、ポスター発表として2本の国内学会に採択された。また今後は各々の細胞群をセルソーターで分取した上でGM-CSFまたはM-CSFで分化誘導し、そこに差異が生じるかを観察するとともに、CB2の有無による免疫細胞分布の変動が認められた(Hosoki et al, Life Sci, 2024)高脂肪食摂食による慢性炎症が、これらの造血幹細胞の分布や分化に与える影響についても検討を行う。