表題番号:2025C-155
日付:2026/03/26
研究課題6-OHDA誘発性パーキンソン病モデルにおけるCRMP4の役割
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助教 | 朝比奈 諒 |
| (連携研究者) | 早稲田大学先進理工学部生命医科学科 | 教授 | 大島登志男 |
- 研究成果概要
- 本研究は、神経毒性物質である6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)を用いたパーキンソン病モデルマウスにおいて、細胞骨格相互作用分子であるCRMP4タンパク質が担う機能を明らかにし、CRMP4がパーキンソン病の治療標的となり得るか検討することを目的としています。先行研究において、CRMP4欠損マウスでは、野生型マウスと比較して6-OHDAによる中脳黒質のドーパミン神経障害が有意に抑制されることが報告されています。CRMP4タンパク質は、中枢神経系においては神経細胞、アストロサイト、ミクログリアで発現することから、本研究ではそれぞれの細胞で特異的にCRMP4を欠損マウスを作製して表現型を解析することにしました。本年度はミクグリア特異的CRMP4欠損マウス(CRMP4-flox/flox; Iba1-Cre+/-)、アストロサイト特異的CRMP4欠損マウス(CRMP4-flox/flox; Aldh1l1-CreERT2+/-)および対照マウス(CRMP4-flox/flox)に対して、6-OHDAを線条体に投与しました。2週間後に線条体に軸索投射する黒質組織を用いてウエスタンブロット解析を行なった結果、ミクログリア特異的欠損マウスでは対照マウスと比較してドーパミン神経細胞マーカーであるチロシンヒドロキシラーぜ(TH)の発現減少が有意に抑制されることが明らかとなりました。ドーパミン作動薬であるアポモルフィン投与試験でも、神経障害を反映した対側性の回転運動が、ミクログリア特異的欠損マウスでは抑制される傾向が観察されました。一方でアストロサイト特異的欠損マウスでは顕著な差は見られませんでした。これらのことから、発現する細胞によってCRMP4の役割が異なること、特にミクログリアに発現するCRMP4が6-OHDA誘発性神経毒性に関与する可能性が初めて示唆されました。引き続き炎症などを評価するための組織学的な解析を進めるとともに、今後神経細胞特異的CRMP4欠損マウス(CRMP4-flox/flox; Syn-CreERT2+/-)を用いた実験も行う予定です。