表題番号:2025C-153 日付:2025/10/14
研究課題性差と腸内細菌に着目したモデルマウスを用いたアルツハイマー病研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 大島 登志男
研究成果概要
アルツハイマー病(Alzheimer disease, AD)は進行性の認知機能障害をきたす神経変性疾患で、病態解明と治療法開発が急務である。人口当たりの罹患率は女性高いが、その原因は不明な点が多い。本研究では、ADモデルマウスであるAPPNL-G-Fの♂♀ホモマウスを用いて、性差に着目して海馬におけるRNA-seqを行なった。BMP遺伝子発現が♀において高い傾向にあることを見出した。BMP遺伝子発現上昇は成体神経新生の抑制に働くこと知られており、成体神経新生を野生型、APPNL-G-Fの♂♀で比較すると、♀ではより野生型に比べAPPNL-G-Fで低下していた。BMP阻害剤の投与で、成体神経新生が回復したことから、♀優位のBMP発現上昇が成体神経新生抑制に関連していることが示唆された。