表題番号:2025C-147
日付:2026/03/25
研究課題回転からねじれまで-粒子−ファイバーモデルに基づく細胞モデルの提案
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 高松 敦子 |
| (連携研究者) | 先進理工学研究科 | 修士2年 | 宮本康平 |
- 研究成果概要
上皮組織は2次元状に組織化された細胞で構成されるが、腸や血管などの管状構造を形成する際、ねじれが生じる。そのねじれは、1細胞に見られるキラリティという非対称性が関与すると考えられている。このキラリティは、細胞内部に張り巡らされたストレスファイバーに起因し、細胞に回転運動を生じさせる。これまで、我々は1細胞の多様な形態と運動性を、単純な粒子-ファイバーモデルによって再現できることを示してきた。このモデルは、中心粒子と外周粒子で構成され、粒子間はストレスファイバーで結ばれている。中心-外周粒子を結ぶストレスファイバーにかかる力に依存して、その太さが成長するというメカニズムを導入することで、細胞形態・運動性の多様性を実現してきた。しかし、この対称的な構成では理論的に細胞の回転運動は生じえない。そこで、本研究ではこのモデルに内周粒子を追加した二層の粒子-ファイバーモデルを新たに提案した。さらに、ストレスファイバーを構成するアクチンフィラメントの非対称性に起因する回転力を導入した。その結果、これまで示してきた細胞形態の多様性の性質を維持しつつ、細胞の回転運動を実現する数値計算結果を得た。一方で24年度の研究では、細胞が接着できる領域を、円形、三角形、四角形に設定すると1~3細胞集団が間欠的な回転運動を行うことが確認されている。これらの非対称的な運動について再現するため、今回提案したモデルを複数細胞系、すなわち、組織系に発展させ、複数細胞系に見られる間欠的な回転運動のメカニズムを探る予定である