表題番号:2025C-140 日付:2026/03/25
研究課題導電性高分子を材料としたフレキシブル熱電素子の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 古川 行夫
研究成果概要

ポリイミドフィルム上に熱電素子を作製した.p型の導電性高分子として,5vol%エチレングリコールをpoly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(4-styrenesulfonate) (PEDOT:PSS)の水懸濁液に添加して,テフロンの枠の中にドロップキャストして,80 °C3 h加熱してPEDOT:PSSフィルムを成膜した.膜の広さは2 cm×2 cmであった.n型導電性高分子として,大気下で非常に安定で優れた熱電特性を示すpoly(benzodifurandione) (PBFDO)DMSO溶液をテフロンの枠の中にドロップキャストして,80 °C3 h加熱してPBFDOフィルムを成膜した.膜の広さは2 cm×2 cmであった.室温において,PEDOT:PSSフィルムの電気伝導率,ゼーベック係数,パワーファクターはそれぞれ797 S/cm, 21 mV/K, 35 mW/(mK2)であり,PBFDOフィルムの電気伝導率,ゼーベック係数,パワーファクターはそれぞれ1120 S/cm, 25 mV/K, 70 mW/(mK2)であった.素子構造として,山型,巴型,リストバンド型を作製した.熱源と大気の温度差が48 Kにおける1対あたりの熱電素子の性能を測定した.素子抵抗は,山型,巴型,リストバンド型でそれぞれ6.11, 7.11, 24.7 Ωであった.開放電圧は,山型,巴型,リストバンド型でそれぞれ1.62, 1.56, 1.05 mVであった.最大出力電力は山型,巴型,リストバンド型でそれぞれ107, 86.4, 11.2 nWであった.これらの結果は巴型素子が最適であるといえ,これまで報告された性能と比較して,高いレベルであった.