表題番号:2025C-128 日付:2026/04/05
研究課題自己修復機能を有するシリカナノシート-PDMSナノコンポジットの作製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 下嶋 敦
研究成果概要

シロキサン系材料は高い熱的・化学的安定性や透明性などの特徴を有することから、様々な分野において利用されている。特に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を主骨格として有するシリコーン材料は、コーティングや封止材などとして有用である。これらの材料に自己修復性を付与することは、長寿命化やメンテナンスコスト削減の観点で重要である。PDMSエラストマーにシラノレート基を導入することで、結合組み換えによる自己修復能が発現することが報告されているが、耐熱性が低く、また機械的強度と修復性の両立が困難という課題があった。本研究では、これらの課題の解決に向けて、シリカ(SiO2)ナノシートとPDMSのナノ複合化を行った。まず、結晶性層状ケイ酸塩の一種であるオクトシリケートの層表面にビニル末端のオリゴ(ジメチルシロキサン)を修飾することで、疎水性有機溶媒中での剥離を行った。得られたナノシート分散液に末端SiH 基のPDMSを添加し、白金触媒存在下でヒドロシリル化反応を進行させた結果、透明で伸縮性のあるエラストマーが得られた。このエラストマーは、従来のPDMSエラストマーと比較して、高い耐熱性を示した。さらに、このエラストマー中に、シラノレート基を導入した結果、切断面同士を密着後加熱することで再接合することが可能であった。