表題番号:2025C-120
日付:2025/11/12
研究課題コンクリート構造物を対象とした 余裕率による性能把握手法の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 佐藤 靖彦 |
- 研究成果概要
- 構造物における要求性能の変化を,シームレスに把握するための新たな概念である余裕率による性能把握の方法を開発した.本研究では,その有用性を確認するために,改築および補強がなされた鉄道高架橋を対象とした各部材の安全性余裕率(MS)と耐久性余裕率(MD)を把握することにより,要求性能の変化に伴う対策の要否判定から選定に至るまでの過程を構築した.最終的に,部材系のMsとMDの相関図を用いることで,要求性能を満足する補強方法のうち,耐震壁を増設する方法では各部材のMSが過剰になることを,また,鋼板を用いた補強方法がMSおよびMDを最小化する適切な方法であることを明らかにした.このように,採用する設計概念や要求性能の水準に応じた補修および補強方法の選択に際して,余裕率の相関図を有効に活用し得ることを示した.さらに,この成果を基礎とし,タイ国の主要幹線を構成する橋梁上部構造の余裕率による性能評価結果を,Journal of JSCEに投稿した.