表題番号:2025C-115 日付:2026/03/27
研究課題特定行為における看護師の力量評価に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 棟近 雅彦
研究成果概要

医療現場では,医療従事者の確保,特に医師の労働時間の短縮は大きな課題である.この問題の解決策として,特定行為ができる看護師(以下,特定看護師)の活用がある.患者の状態変化に迅速に対応するために,医師よりも患者の観察頻度が高い特定看護師の活用は効果的である.特定看護師を活用するためには,臨床の実践に必要な力量を担保する必要がある.本研究では,特定看護師を効果的に活用するための,力量評価システムを提案することを目的とする.

本研究では,まず,特定看護師の活動状況に関する事例調査や現場へのヒアリングを通して,特定看護師に関わる課題を明確にした.つぎに,抽出された課題から特定看護師の活動を推進するための取り組みを導出し,ロードマップを作成した.さらに,取り組みの1つである力量管理において,特定看護師の力量評価システムに必要な機能を抽出し,力量評価システムの詳細設計と運用フローの構築を行った.そして,力量評価システムを提案し,有用性を検証した.

医療業界では,厚生労働省が2025年度までに特定看護師を10万人に増員することを目標としているが,現時点で1割しか達成しておらず,特定看護師の活動を推進するための有効な取り組みや,増員するための取り組みが検討されていなかった.そのため,本研究で示したロードマップは,これまで明確でなかった活動推進の過程を具体化したことで,特定看護師の活動を推進する上での効果的な取り組みを検討する基礎になると考えられる.

臨床現場では,日々の業務が多忙であり,力量評価項目や運用フロー等も示されていないことから,特定看護師の力量評価を行うことは困難であった.本研究では,力量評価システムの運用フローを作成し,実務上の実行性を考慮したことで,特定看護師の力量評価を実施できた.