表題番号:2025C-113
日付:2026/02/02
研究課題地圏環境中有害化学物質のリスク評価に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 川邉 能成 |
- 研究成果概要
近年,自然由来の重金属類や有機フッ素化合物(PFAS)による土壌・地下水汚染が顕在化しており,地圏環境における化学物質リスクの適切な把握が求められている。重金属類は地質条件に起因して広範囲に分布し,溶出挙動の違いによりヒト曝露リスクが変化する。一方,PFAS は高い難分解性と移動性を有し,土壌・水・大気間を移行しながら多経路で曝露を引き起こすため,統合的な評価が不可欠である。しかし,簡便な汚染判別手法や,物性値の不確実性を考慮した曝露評価手法は十分に整備されていない。
本研究では,自然由来重金属について,表層土壌化学データに SVM を適用し,全含有量から水溶出量基準超過の判別を試みた。その結果,主要構成元素の組み合わせにより正解率 0.8 以上の分類性能が得られ,土壌母材特性が溶出挙動と関連することが示唆された。PFAS については,フガシティー概念に基づく多媒体モデルを用いて多経路曝露量を推定し,土壌吸着係数および蒸気圧の感度解析を実施したところ,物質特性の違いに応じて支配的曝露経路が変化することが確認された。
これらの結果は,地圏環境中化学物質のリスク評価において,機械学習による迅速な汚染判別と,多媒体挙動を踏まえた曝露解析を併用することの有効性を示すものである。