表題番号:2025C-112 日付:2026/03/12
研究課題人間の状態推定における要因と重要度評価の検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 講師 伴地 芳啓
研究成果概要
本研究は、昨年度実施した「人間の状態推定における要因および重要度評価の初期的検討」を継続し、深層学習モデルを用いた人間の不快感推定における要因の重要度およびモデルの特性を検討したものである。本年度は、学習データの追加ならびに個人の特性に関する変数の導入を通じて、推定モデルの安定性と要因評価の妥当性を検証することを目的とした。

解析では、昨年度の変数セットを維持しつつ、新たに個人の特性に関する変数を加え、拡充した学習データを用いて評価を行った。手法としては、特定の変数の追加および削除が予測精度に与える影響を分析するアプローチを採用した。これにより、個人の特性という新たな要因を含めた条件下において、各要因が不快感の予測精度に対してどのように寄与しているかを定量的に評価した。

分析の結果、変数およびデータ量を追加した条件下においても、不快感の推定に寄与する主要な変数の構成およびその重要度の順位に大きな変化は見られなかった。この結果は、抽出された要因が特定のデータセットや個人の属性に過度に依存するものではなく、人間の不快感推定において一定の安定性と普遍性を有していることを示唆している。すなわち、データの多様性が増した状態でも共通の重要要因が特定されたことは、本推定モデルの頑健性を裏付ける成果といえる。

本年度の成果により、個人の特性を考慮した条件下においても、不快感予測における基盤的な変数の重要度が安定的に評価できることが示された。この知見は、今後の予測モデル構築において、効率的な変数選択を行うための基礎的な根拠となる。今後は、要因間の相互作用および非線形な関係性の解明について検討を進める予定である。