| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 准教授 | 劉 言 |
- 研究成果概要
統計的最適推測論は従属関係をもつ時系列データの統計解析へ拡張されつつある。線形時系列モデルに対しては正則条件のもとで推定論、検定論などが定式化されている。本研究では非線形時系列モデルの特徴づけからその統計解析まで様々な視点から総合的に行い、これまで展開された研究を再検討することにより、知的体系化を試みる。
従来のユークリッド空間上の時系列解析は線形構造が主要な研究基盤であり、それに基づく多くの研究結果がすでに得られている。また、非線形構造をもつARCH、GARCHタイプの時系列モデルは計量経済、環境あるいは疫病の伝播など様々な分野で利活用されている。近年では、このようなユークリッド空間から離れ、非ユークリッド観測が注目されつつある。一見、従来の研究結果も適用できそうな印象を持ちやすいものであるが、標準的なユークリッド空間は非コンパクトであるのに対し、例えば有界な空間で定義される観測データに対して、線形構造を導入するのは自然ではない。そこで非ユークリッド時系列観測に対して、そのモデリングには様々な工夫を必要とする。本研究ではマルコフ性をもつコピュラ時系列をひとつの自然な導入として考えた。従来の時間発展が線形変換によってもたらされるものと考えれば、コピュラ時系列とはコピュラ関数によってその時間発展が記述される時系列として解釈できる。コピュラ時系列の統計解析の初歩はモデル診断検定から始めた。即ち、観測データは果たしてこのような非線形時系列で記述できるか、記述できるならどのような相関関係をもつべきか、という学術的問いに基づいて展開した。新たな統計的検定方法を提案し、シミュレーションを行った結果、従来の線形構造に基づく検定を上回る統計的結果を得たため、本研究結果は今現在、国際誌へ投稿中である。
また、国内外の研究者を招聘して、Waseda Statistical SeminarとMiyazaki Statistical Workshopの開催を通して、学術的議論や意見交換を行いました。