表題番号:2025C-097
日付:2026/01/13
研究課題ナノ界面が拓く繊維複合材料の更なる高強度化
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 准教授 | 荒尾 与史彦 |
- 研究成果概要
強化繊維のまわりにナノ材料を吸着させて、樹脂と複合化させることで、ナノ材料で強化されたナノ界面層を含む繊維複合材料を創出する。具体的には、ガラス繊維の表面にグラフェンをコーティングする。本研究では、グラファイトと塩をボールミルすることで得られる、エッジ改質黒鉛を用いることで、溶媒の中で負にチャージする数層グラフェンを得ることに成功した。正に帯電するガラス繊維をグラフェン分散液に浸漬させることで、静電相互作用によりガラス繊維表面へと数層グラフェンが均一にコーティングされることを確認した。この数層グラフェンでコーティングされたガラス繊維織物を基材として、樹脂を含侵させることで、グラフェンで強化された界面層を有する繊維強化プラスチックを作製した。
曲げ試験により、繊維強化プラスチックスの機械特性を調べたところ、数層グラフェンのコーティングの有無により弾性率の変化は見られなかったが、強度と破断伸びは20~30%程度向上していることが確認された。破断挙動を詳細に調査したところ、数層グラフェンコーティングによって内部で生じた亀裂の進展が遅れ、それにより破断伸び、破断強度が上昇することが確認できた。界面層を設けることで、繊維から生じた亀裂が伝播しにくくなり、疲労強度等の長期耐久性の向上も期待できる。
本成果はCarbon2025の国際学会、および2nd JSME International Conference on Materials & Processingにて成果発表を行った。