表題番号:2025C-096 日付:2026/02/06
研究課題熱可塑性CFRPと金属の異種接合強度向上メカニズムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 細井 厚志
研究成果概要

 航空宇宙機の軽量化を目的として材料を適材適所に配置するマルチマテリアル化が求められており,その技術を実現するために金属と炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)の異種材料接合に関する研究が行われている.本研究では,接合界面のき裂角度をパラメータに,エネルギー解放率を評価手法にすることで界面強度を高める凹凸構造の,定量的な設計手法について評価を行った.

 本研究で用いた材料は,アルミニウム合金A5083及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を母材樹脂とするCFRTP(以下CF/PEEK)である.CF/PEEKの繊維含有率Vf50%である.接合面の化学的結合を向上させるために,A5083表面に1wt%に希釈したイソシアネートシランカップリング剤を塗付した.乾燥後,加熱したホットプレス機で加圧してシングルラップジョイント試験片を作製した.

シングルラップジョイント試験における試験結果はシランカップリング剤の影響と推察される接合強度の特異点となる-10℃付近以外では,-100℃~130℃の範囲で予測値と実験値が良く一致した.0℃~-10℃環境下では予測との大きな乖離がみられた.これは,実験時の冷却中の結露がシランカップリング材の結合を加水分解し,強度を大幅に低下させていることが示唆される.界面に凹凸を付与した場合,CF/PEEK90°層の凝集破壊により,予測値と実験値の乖離がみられたが,30°から45°にかけて強度が向上する傾向を示すことが出来たと示唆される.