表題番号:2025C-072 日付:2026/04/02
研究課題大数の法則の適合度の低いリスクに対する保険の持つ特性についての研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 星野 明雄
研究成果概要

伝統的保険学は、大数の法則を基礎とした保険を対象としてきた。一方、自然災害など集積性の高い損害をもたらすリスク、サイバー攻撃など時間による変化の大きいリスク、海上保険など同種の対象物が少数であるリスクなど、大数の法則の適合性が低い「非マスリスク」に対する保険の重要性は増している。非マスリスク保険の保険料算定に関する思想と数理的な技法を研究し、併せて国際的な比較を試みることで、原則の確立を目指している。

本年度は、米国における非マスリスクへの重要な対応手段であるNon-admitted Insuranceについての調査結果を取りまとめ、他の諸国の監督制度と合わせて、金融庁ディスカッションペーパー「保険契約者のニーズを踏まえた保険商品開発に係る規制の在り方」を著し、2025年8月に発表した(本学商学学術院中出哲教授との共著。英語版は2026年3月)。この中で、リスクの性質(マスリスクと非マスリスク)および契約者の性質(個人と企業)に応じて、審査制度をさらに分化させることなどを提言した。

また、自動運転社会において、自動車保険が非マスルスク化する可能性と、その影響をまとめ、公益財団法人 自動車製造物責任相談センター 年次報告書 巻頭論文「技術の高度化に伴う自動車製造物責任の変容と非マスリスク化への対応」を執筆した。