| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 佐々木 みゆき |
| (連携研究者) | 関西大学 | 教授 | 水本篤 |
| (連携研究者) | 静岡大学 | 助教 | 守屋亮 |
- 研究成果概要
本研究では、英語圏留学中に定期的に自身の英語力の変化について自己採点を行う実験群と、自己採点を行わない統制群を設定し、セルフモニタリングが留学中の対象言語発達に及ぼす影響を検討することを目的としていた。しかし、当初計画していた英語圏に留学する参与者(日本人大学生)が、統計処理に必要な人数(実験群と統制群の合計)集まらないことが判明したため、研究対象を2025年7–8月に中国語留学から帰国した日本人大学生13名の「中国語を書く力の変化」に変更した。あわせて、説明変数を、留学中の言語発達に特に影響が大きいとされる動機づけ、人間関係のネットワーク、AI使用の3点に焦点化し、留学後3か月から6か月にかけての変化を分析した。
データは、6件法アンケートによる量的データと、変化の理由を記述した質的データから構成される。量的データの分析には記述統計を、質的データの分析にはMiles et al.(2014)のconstant comparative methodを用いた。分析の結果、①中国語を書く動機づけは概ね向上していたこと、②その向上の背景には、現地での授業やテストに加え、友人とのチャットやメールのやり取りがあり、書き言葉の発達にも人間関係が大きく関与する可能性が示唆されたこと、③全員がAIは中国語習得に有用であると認識しており、課題以外にも未知語の検索、会話練習、就職活動の相談など、語学学習を超えて活用していたことが明らかになった。以上の結果を踏まえ、学習者自身による当事者(emic)データの重要性(Zheng et al., 2025 の Sasaki 担当部分)や、語学学習におけるAI使用のプロセス、ならびにAIの出力に対する agency(より良いものを書こうとする主体的な行動)の発現に関する論文(Sasaki et al., under review)を執筆することができた。
Reference
Miles, M. B., Huberman, A. M., & Saldaña, J. (2014). Qualitative data analysis: A methods sourcebook (3rd ed.). SAGE Publications.