表題番号:2025C-056
日付:2026/03/20
研究課題近代における平安文学受容に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 新美 哲彦 |
- 研究成果概要
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本研究では、近代の平安文学受容を主な研究対象とした。近代は、言文一致運動などにより、近代の日本文学が花開き、古典が廃れた時代でもあるが、その一方で、国民国家形成のために新たに日本古典文学史が形成され、日本古典の受容が、近世までとは異なる形でなされた時代でもあった。
一方で、テクスト遺産という概念がある。エドアルド・ジェルリーニ氏の「テクスト遺産」の定義によれば、
「モノ(写本その他、文字が書かれた物体)+営為(読む・書く・解釈・演じる・書写する・翻訳する)=テクスト遺産」
遺産はモノ自体ではない、プロセスであるとのこと。ジェルリーニ氏が例に挙げた営為は、テクストの内容に関わる営為であったが、テクストの内容に関わらない営為も含めたら、どのようなテクスト遺産が考えられるだろうか。
「読まれない」テクスト遺産として、テクストの内容に関わらない営為に注目して整理した。読まれないが権威をもたらすテクストや、鑑賞されるテクスト、人間以外にひらかれたテクストなどがあろう。今まで考えられてきたテクスト遺産に、「読まれない」テクスト遺産という概念を加えれば、さらにテクスト遺産の世界は拡がるのではないだろうか。