表題番号:2025C-053
日付:2026/04/03
研究課題人工知能ツールの利用に関して合理的判断力の構成要素の検討
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 三尾 忠男 |
- 研究成果概要
- 人工知能の活用が、企業・行政だけでなく、学校教育においても児童・生徒にも生成AIをはじめとするAIの活用をさも当然のように教育場面に組み込まれている。実際の人やものへの接触など一次情報の確認せず、間接情報での学習や社会活動が増えている現代社会において、情報検索だけでなく判断までAI依存となることが予想される。2023年に生成AIが一般人に広がり、個人がツールとして無秩序に使用することでトラブルや学習の質保証の課題が顕在化している。本来は20世紀末から推進してきた情報活用能力育成を学校教育、情報リテラシーの学生・社会人への啓蒙を進めてきたが、その効果は完全ではない。近未来像を描くフィクションとしての作品の中でAIを扱い、人類が直面するリスク、効果的に活用しているものを可能な限りレビューし、そのシーンを類型化して、どのような合理的判断がそこに求められるのかの推察を試みたのものである。大量データの収集分析とその判断をAIに委ねるものが多く、その場面は、非日常(宇宙探査など)と日常(警察、裁判、進路決定など)に大別される。レビューした作品はまだ少ないので仮説の準備段階であるが、そこで求められる合理的判断とは、情報の判断をAIに完全依存するのでなく、ヒトが主体的に情報を活用して判断する意識を持つこと、その際にAIはもちろん自身の推論過程を意識的に吟味するというCritical Thinkingが必要とされると考える。その際、合法則的合理性と合目的的合理性という観点でも追求も必要であろう。今後の課題として、レビューする作品をより日常を扱っているものを多くすることと、合理的判断について情報リテラシーの先行研究とデジタル・シティズンシップという新しい概念の研究レビューに広げる必要があると考えている。