表題番号:2025C-049
日付:2026/03/27
研究課題異系統土器の搬入・分布に関する基礎的研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 中門 亮太 |
- 研究成果概要
今回の特定課題研究では、縄文時代の異系統土器の搬入・分布を考えるための民族誌研究、および遠隔地出土土器の資料調査を行った。
8月に、パプアニューギニア国立博物館において、申請者がこれまで民族調査を行ってきたミルンベイ州の土器(1970年代収集資料及び発掘調査による出土資料)の観察、写真撮影を行った。昨年度の現地調査で確認した長胴形の鉢のほか、500年ほど前から現在の土器伝統につながる土器群が出現した可能性を確認した。撮影した写真をもとにフォトグラメトリによる資料の3次元化を行っており、データはパプアニューギニア国立博物館と共有するほか、現在報告書を作成中である。
12月には、京丹後市において平遺跡出土資料の調査を行った。平遺跡からは、東北系や北陸系の土器が出土しており、異系統土器の搬入・分布を考える上で非常に重要な資料であるが、既存の報告ではモノクロ写真が掲載されたのみであった。そのため、未報告資料も含めて拓本、実測、写真撮影による資料化を行った。後期後葉の土器は、在地土器が内外面ともケズリ調整が顕著であるのに対し、東北系土器は丁寧なナデによって仕上げられていた。つまり、平遺跡における後期後葉の東北系土器は、東北系の製作技術を持った人の移動が背景にあったと考えられる。一方で、晩期の土器になると、文様描出が稚拙となり、在地の人々が東北系の製作技術に通じないままに模倣して製作した可能性が考えられる。後期から晩期にかけて、土器づくりの技術伝達や、土器製作に関する情報の広がりに変化があったことが想定される。