表題番号:2025C-033
日付:2026/03/03
研究課題新感覚派を中心とする近代日本の方言小説研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文化構想学部 | 教授 | 十重田 裕一 |
- 研究成果概要
- 本研究課題の主たる研究成果は、学術論文「横光利一の方言文学ーー新感覚派誕生前夜の一九二〇年前後を中心に」(『日本近代文学館年誌』第21号、2026年3月、pp.80-92)である。本論文では、新感覚派文学誕生の一端を解明するべく、横光利一の1920(大正9)年前後の創作を中心に、方言を活用した方言文学の特色を本稿では考察した。横光を対象とするのは、彼が1920年前後の新しい日本語の表現を創造した新感覚派の中心人物であり、方言と標準語との葛藤のもとで文学の表現を模索し、独特の作風を構築した作家だからである。横光をはじめとする新感覚派の作家たちの多くが標準語を学んだ第一世代であると同時に上京者であったことを確認したうえで、1920年前後に創作された横光の方言文学の考察を行い、それが新感覚派誕生と少なからずかかわることを明らかにした。本論文をまとめるのと並行して、『日本近代方言文学選』全3巻(岩波書店、2027年2〜4月刊行予定)の編集を行なった。他に関連する研究成果として、「解説 戦間期の作家たちの不安と自意識の奇跡」(安藤宏『定本 自意識の昭和文学ーー現象としての「私」』岩波書店、2026年2月、pp.285-292)、共編著『読売新聞 よみうり抄 大正篇』第5巻(文化資源社、2026年2月、pp.1-557)、共編著『「円本」から読む日本近代文学』(公益財団法人日本近代文学館、2026年4月刊行予定)などがある。