表題番号:2025C-028 日付:2026/03/29
研究課題近代人文学草創期 における図書館、文庫の形成と蒐書活動の事例研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 河野 貴美子
研究成果概要
 本研究の問題意識は、東アジア漢字漢文文化圏において長い歴史の中で育まれ、積み重ねられてきた知と、近代以降のアカデミズムのあり方を批判的に検証し、東アジアの総合的な人知、すなわち「文」が、現在そして未来の社会にいかなる貢献を果たすことができるのか、グローバルな視野からその可能性を追究することにある。そのための方法として、近代人文学草創期における図書館、文庫の形成と蒐書活動に焦点を当て、具体的には、高麗大学校図書館の崔南善六堂文庫と、イェール大学図書館やアメリカ議会図書館の日本資料の蒐集と蔵書形成に尽力した朝河貫一資料を対象として調査研究を進めた。崔南善と朝河貫一はともに、近代に新たな学術体系が形成されていく中で国際的な視座から学問に取り組んだ人物であり、とりわけ国を跨いで書籍の蒐集に努め、今もって有益な資料群を残した点が共通する。本研究においては、二人が残した資料を通して東アジアの学問の近代化のありようについて考察を行った。まず、高麗大学校図書館崔南善六堂文庫については、高麗大学校Global人文学研究院および高麗大学校図書館との共同研究(高麗大・早稲田大六堂文庫共同研究会)として、2025年4月10日~11日、8月4日~5日、10月30日~31日の3度にわたり現地調査を行った。本調査は次年度も継続し、2026年7月に共同研究にかかわるワークショップを開催し、成果をまとめていく予定である。また、朝河貫一資料に関する調査研究も並行して進め、2025年8月22日~23日に福島県立図書館にて朝河貫一書簡資料の調査を行った。今後も引き続き調査を進め、2027年度にはシンポジウムを開催、論集をまとめていく予定である。