表題番号:2025C-027
日付:2026/03/04
研究課題DX時代の法曹養成の在り方に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 法学学術院 大学院法務研究科 | 教授 | 石田 京子 |
- 研究成果概要
- 本研究は、科学研究費助成事業(基盤B)と密接に連動し、技術革新が法曹養成に及ぼす影響を比較法的に分析することで、国際的競争力を備えた法専門職教育の在り方を探究するものである。2025年度は、2026年前期の書籍出版を最終目標に据え、理論の深化と国内外での成果発信を精力的に推進した。第一に、学会報告を通じた知見の共有と議論の活性化である。国内では日本法社会学会において研究報告を行い、日本の法曹養成における現状の課題を整理した。また、国際的にはアジア法社会学会(ALSA)にて、2045年の弁護士推計を基に、将来的なテクノロジー導入の必要性と、それに伴う法的・倫理的課題について言及した。将来の需要予測に裏打ちされた技術導入の議論は、各国の研究者から高い関心を集め、日本の制度改革に向けた示唆を得る貴重な機会となった。第二に、具体的なリーガルテックの展開と法的規律に関する調査・公表である。本年度は、米国ユタ州における新たなリーガルサービスの試行(サンドボックス制度等)に関する調査を公表し、規制緩和と技術活用の最前線を分析した。また、米国弁護士のキャリア形成に関する大規模調査の検討を通じて、技術革新が専門職の階層構造や機会の平等に与える影響を比較法的な視座から考察した。第三に、法曹界の構造的課題としての多様性と教育機関の役割に関する研究である。DX時代の法曹には多様な視点が不可欠であるとの観点から、ジェンダー格差の問題に注力した。Cornell International Law Journal等での英語論文の公表や、国内誌における女性法曹輩出に向けた構造的課題の分析を通じて、法曹養成機関が果たすべき責務を明確化した。以上の通り、2025年度は実務的潮流の分析と理論的基盤の構築を両立させ、AIリテラシーや専門職倫理教育の国際的潮流を体系的に整理した。これらの成果を統合し、次年度前期の書籍出版に向けた最終的な取りまとめを現在進めている。