表題番号:2025C-026 日付:2026/04/03
研究課題生成AI時代における人間の声・肖像等の保護に関する比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 上野 達弘
研究成果概要
 1 文献調査

 2025827日~96日に、ミュンヘン(ドイツ)にあるマックスプランク競争・イノベーション研究所に滞在し、知的財産法に関する世界最高の図書館で資料収集に勤しむと共に、ミュンヘン大学の研究者らとも面会して意見交換を行いました。

2 英国の大学における研究会合への参加・研究報告

 202549日に、英国ボーンマウス大学で行われた「Stakeholder roundtable on AI deepfake and the Law」に参加して研究報告を行うと共に、同月14日には、英国アバディーン大学(スコットランド)で「The Right of Publicity in Japan: Case law, the recent topics including AI cover」という講演を行いました。いずれも本研究課題に正面から取り組むもので、参加者から多くの知見を得ました。 

3 国際学会ATRIPへの参加・研究報告

 知的財産法の分野で最大の国際学会であるATRIPの年次大会が2025623日にコペンハーゲン大学で行われ、応募が採択された結果、「Internal Limit to Copyright and Justice」という研究報告を行い、生成AI時代における著作権の内在的制約に関して議論を深めました。

4 国際シンポジウム開催

 研究代表者が所長を務める知的財産法制研究所(RCLIP)が、コロンビア大学および香港大学との共催により、ディープフェイクおよびAIと著作権をテーマとして、「第3US-Asia著作権シンポジウム」(20251213日)、研究者を中心とするワークショップ(同月14日)等を連続開催し、多大な成果を得ました。 

5 新たな立法提案へ

 研究代表者は、経済産業省「不正競争防止法におけるパブリシティ価値の保護に関する研究会」に委員として参加していたところ、その議論の成果として、肖像・声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方を整理した、経済産業政策局知的財産政策室「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」という文書が20255月に公表されました。これは、生成AI時代における人間の声・肖像等の保護に関する新たな立法提案にも関わるものと言えます。今後も、本研究の成果を政府の知財政策に反映させるように尽力してまいる所存であります。