表題番号:2025C-025
日付:2025/09/14
研究課題生成AIと金融安定化・消費者リスク:プロシクリカリティやデータ・バイアス抑制のための国際枠組みの構築
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 法学学術院 大学院法務研究科 | 教授 | 久保田 隆 |
- 研究成果概要
- 生成AIのAGIへの発展見通しを踏まえて、(1)「人間中心のAI原則」に基づく民主主義を確保するための対策について、ハーバード大・レッシグ教授や台湾のオードリータン元大臣らの先行研究を踏まえて検討し、(2)AIによるデータ化が進むと貨幣が消滅するとの見解(エール大・成田祐輔准教授ら)を批判的に再検討し、(3)金融安定化についてはIMF等の動きを紹介した。ここまでは既に論文・発表等で公表した。すなわち、学会報告では、国際取引法学会(9月7日)、台湾大学法学部の国際ワークショップ(8月4日)、早稲田大学法務研究科の国際ワークショップ(7月31日)、タシケント国立法科大学のInno Cyberweel 2025 (4月2日)と国内外で数回の報告機会をもったほか、その内容を早稲田大学トランスナショナルプログラム「AIと金融法」(8月25日~28日)や早稲田大学・久保田ゼミとチュラロンコン大学・Rosenゼミとの合同ゼミ(9月10日)で、国内外の学生に教授した。また、論文では、国際商事法務3月号・6月号・7月号・8月号に寄稿し、国際取引法学会『現代国際取引法の諸相』大学教育出版(8月刊行)に1章分j寄稿、ウズベキスタン・イルシャド国際法政策雑誌318号(5月)に英文寄稿、国際取引法学会年報10号(3月)に寄稿した。一方、金融安定化の中で重要と思われる点、すなわち(4)英豪で中央銀行法改正が審議・実施される一方、米トランプ大統領のように中央銀行への政治介入が強まる中、将来的に、金融政策にAIが導入されたり、CBDCの管理をAIが担うことが拡大すると見込まれる中、「中央銀行の独立性」と説明責任を適切にバランスさせる法のあり方については現在研究中で、ANU・べイトマン教授が編者となるOUPから出版予定の研究書に寄稿予定(2026年初に提出予定)である。