表題番号:2025C-023
日付:2026/01/16
研究課題地球環境は「個人の権利」たりうるか-国連SGDsの限界を乗り越えるために
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 法学学術院 大学院法務研究科 | 教授 | 中島 徹 |
- 研究成果概要
- 本研究は、持続的な経済成長を前提とする国連主導のSDGs論とは異なり、地球環境を人類が生存可能な状況に保つことを根本目的として、それを可能とするための法の在り方を検討するものである。もとよりこのように言うだけでは単に大風呂敷を広げただけで具体性に欠ける。本特定課題研究においては、個人の権利保障の観点から近代立憲主義の在り方を論じてきた憲法研究者樋口陽一が営業の自由を人権と解する所説を改説したことを契機として、それが憲法学にとってもつ意味を検討した。それは、営業の自由も含む広義の意味での財産権保障の構造転換を促す法理論を構築するための準備作業としての意味を持つ。具体的には、改めて営業の自由論争を今日的視点から回顧し、決して過去の論争ではないこと、むしろ現代社会における「自由主義」の相克を明らかにすべく「国家の他者性と共和国思考」という題名の論文を執筆した。その内容は、2026年中に日本評論社から刊行される予定の「幻の創文社版憲法綱要」(仮)に収録されることになっている。なお、本研究は、いまだ地球環境を「個人の権利」として論じるという本研究全体の目的に着手するものではないが、そのために不可欠な前提のひとつとなる研究である。