表題番号:2024R-055 日付:2025/04/04
研究課題地域連携学的考察による大学の地域連携スタディツアーのプログラム開発に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 准教授 加藤 基樹
研究成果概要
本研究は、地域連携学的視点に基づき、大学における地域連携スタディツアーのプログラムを開発し、その効果を最大化することを目的としている。特に、地域の特性や課題に応じてカスタマイズ可能なプログラムを設計し、学生と地域の双方にとって学びと貢献の機会となるような仕組みを構築することを目指している。今年度は、そのための基礎資料を整えることを主な目的とし、文献調査およびフィールドワークを通じたデータ収集に重点的に取り組んだ。
まず、地域連携の対象分野は多岐にわたるため、地域教育、観光、福祉、産業振興、環境など、関連する幅広い分野の先行研究にアクセスする必要があり、多数の専門書籍や資料を購入して文献研究を行った。これにより、スタディツアープログラムの設計に必要な理論的基盤を整えることができた。
フィールドワークについては、当初、岩手県田野畑村と宮城県気仙沼市の2地域で実施する計画であったが、台風の影響により気仙沼市への訪問が困難となり、田野畑村のみでの実施となった。現地では、自治体職員や観光関係者、住民との対話を通じて、地域連携事業の課題や可能性についての実態を把握した。
さらに、大学の公式な課外活動として「地域連携スタディツアー」を山形県寒河江市、新潟県燕市、田野畑村、気仙沼市の4地域で実施した。本プログラムにおいては、現地関係者との連絡調整、オンデマンドによる事前学習教材の作成、現地引率、事後レポートの指導・評価に至るまでを一貫して担当し、教育実践と研究の双方に資する貴重なデータを得ることができた。
なお、今年度は科研費基盤研究(C)に応募したが不採択となった。今後は、今年度の成果を活かし、次年度の採択に向けて、研究計画のさらなる精緻化と理論的枠組みの強化を図る予定である。