表題番号:2024R-017
日付:2025/03/08
研究課題トップマネジメントの交代が組織の戦略的決定に与える影響
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 商学部 | 助手 | 焦 雅 |
- 研究成果概要
本研究は社会役割理論に基づき、キャリア構築に成功した女性トップ・マネジメント・チーム(TMT)メンバーが、その知見、知識、情報を活用し、企業の働く環境の改善に貢献する役割を果たすことを見出し、女性TMTメンバーの存在が企業の柔軟な勤務制度の導入を促進するメカニズムを提案した。これまでの研究では、ソーシャル・カテゴリー化理論や情報―意思決定理論に基づいた議論が中心であったが、本研究は女性TMTメンバーならではの役割に着目し、組織全体の働き方への影響を検討している。2015年から2021年における日本企業785社のパネルデータを用いた実証分析の結果、女性TMTメンバーの割合が増加すると、企業が時間、場所、タスクに関する柔軟な勤務制度を導入する確率が有意に上昇することが確認された。さらに、TMT短期在職比率が高いほど、女性TMT比率が時間に関する柔軟な勤務制度の導入に与えるプラスの影響が強まることも明らかになった。これらの結果を踏まえると、経営陣における女性の存在は、従来の男性中心のTMTを補完し、企業の働く環境の改善に寄与する重要な要因の1つであると考えられる。