表題番号:2024R-015
日付:2025/03/16
研究課題ジェネラル・パーパス・テクノロジーの生成とその汎用性の進化のメカニズム
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 商学部 | 教授 | 清水 洋 |
- 研究成果概要
- 蒸気機関や人工知能などのジェネラル・パーパス・テクノロジー(GPTs)は、広範な分野で利用され、経済の生産性向上に大きく貢献すると考えられる。本研究プロジェクトは、GPTsの生成と波及、その影響を分析するものである。具体的には、特許や論文の書誌情報を用いて技術の汎用性の程度を数量的に測定し、①汎用性の高い技術(知識)はどのように生まれるのか、②どのように広がるのか、③マクロ経済や雇用、企業の競争力にどのような影響を与えるのかについて実証的に検証することを目的とする。これまでのGPTs研究は、有名な事例の質的なケーススタディが中心であり、GPTsを蒸気機関やレーザーのように大まかに捉え、当該技術の中でも汎用性の高い技術とそうでない技術(専用技術)があることを無視してきた。その結果、それぞれの事例の知見は蓄積されたものの、GPTsの精確な把握や、その生成・波及・影響に関する体系的な知識の蓄積には至っていない。したがって、本研究プロジェクトの特徴は、技術の汎用性の高さを数量的に測定する点にある。より具体的には、特許データを用いて技術の汎用性を把握し、GPTsの実証的な測定をグローバルなレベルで行う。ただし、そのためには、特許をパテント・ファミリーレベルで集約したデータベースが必要となる。2025年度、本研究では、アメリカの特許庁のデータ(Patents Viewから取得)および日本の特許庁のデータ(IIPパテントデータベースから取得)を用いて予備的調査を実施した。これらの特許データはファミリーレベルに集約されていないため、グローバルなレベルでのGPTsの測定にそのまま利用することはできないが、それぞれの国における傾向を把握することは可能であった。この予備的調査をもとに、科研の基盤Sを申請し、採択に至った。